川越の歴史スポット巡りーエミー賞受賞作「SHOGUN」の世界へ、時を超える旅

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川越の歴史スポット巡りーエミー賞受賞作「SHOGUN」の世界へ、時を超える旅
西部エリア 歴史的関心

歴史ある街・川越で、エミー賞受賞ドラマ『SHOGUN』の世界に浸ろう! 「小江戸」として知られる川越は、川越喜多院や川越城などの名所を通じて、見事に江戸時代の面影を今に伝えています。 この記事で紹介する各スポットには、江戸時代の政治的駆け引き、軍事力、そして文化の豊かさなど、日本の歴史を形づくった物語が息づいています。

川越-徳川将軍に愛された城下町

川越は江戸幕府(1603-1868)の時代に、江戸(現在の東京)の「北の要所」として重要な役割を果たしました。
江戸幕府の初代将軍である徳川家康は、この領地を最も信頼する家臣の一人、酒井重忠に託し、その重要性の礎を築きました。
その後も、川越は松平信綱や柳沢吉保など、幕府の有力な人物たちによって治められました。
彼らの多くの政策や施策は、今日に至るまで街に深い影響を残し、その痕跡は今もなお色濃く残っています。
例えば、松平信綱が行った新河岸川の航路整備は、川越と江戸を結ぶ重要な交通路を生み出し、物資の効果的な輸送を可能にしました。
これにより川越は『江戸の台所』としての名声を得て、商人たちが集う賑やかな街へと発展しました。
当時の商人たちが使っていた独特な蔵造りの建物は、今も川越の町並みに色濃く残っており、訪れる人々をまるで昔にタイムスリップさせるような風情を漂わせています。

以下では、江戸幕府と何らかの形で深いつながりのあった川越のみどころを、さらにいくつかご紹介します。

picture cells / Shutterstock.com

川越城-日本に現存する二つの本丸御殿のうち一つが残る地

川越城は戦国時代(1467-1615)から江戸時代にかけて軍事的・政治的に非常に重要な拠点でした。

川越城の大部分は、明治維新(1868-1889)の際に取り壊されました。この時期は、徳川幕府から天皇を中心とする新政府へと政権が移行した、政治的・社会的に激動の時代であり、旧支配階級である武士の権力の痕跡を取り除こうとする動きの中で行われたものでした。
川越城の本丸御殿は、現在でも地元の人々や観光客が訪れることのできる、数少ない現存する建物のひとつです。
1848年に建てられた当時の姿をそのままに再現したこの建物は、玄関ホールや大広間、かつての重臣の部屋を備えており、川越畔の華やかな暮らしぶりを垣間見ることができます。
高知城と並び、日本に現存するわずか二つの本丸御殿のうちの一つであり、非常に貴重な文化財となっています。

川越城
住所:埼玉県川越市郭町2-13-1
アクセス:東武東上線川越駅、西武新宿線本川越駅より小江戸名所めぐりバス「博物館前」下車徒歩1分

川越喜多院-三代将軍・徳川家光が誕生した部屋を見学できます

川越喜多院は、830年に高僧・円仁によって創建された、天台宗の名高い寺院です。
江戸時代初期、名僧・天海が住職を務めたことで、大きく栄えました。
天海は、敬虔な僧であるだけでなく、徳川家康の側近でもあり、その知恵によって多くの政策に大きく貢献しました。
また彼は、二代将軍・徳川秀忠や三代将軍・徳川家光とも深い関わりをもち、喜多院は徳川幕府にとっていっそう重要な存在となりました。
その後、1638年の大火によって寺は焼失しましたが、三代将軍・徳川家光は再建を命じ、江戸城から自身の誕生の間や、乳母・春日局が使用していた「化粧の間」などの建物を移築させました。
これらの建物は、現存する日本最古級の江戸城の遺構の一部であり、国宝や重要文化財として保護されています。
東京を含め寺院の外では見ることができず、まさに唯一無二の存在です。

Tang Yan Song / Shutterstock.com

喜多院でぜひ、見ておきたいもうひとつの見どころは、538体もの多彩な表情をもつ「羅漢像」と、桜や紅葉など四季折々の美しさを楽しめる庭園です。

川越喜多院
住所:埼玉県川越市小仙波町1-20-1
アクセス:東武東上線・JR線川越駅下車徒歩約20分

仙波東照宮-初代将軍徳川家康を祀る神社

仙波東照宮は川越喜多院の南側に隣接している神社で、江戸幕府の初代将軍・徳川家康を祀る全国の東照宮の一つです。
日光東照宮、久能山東照宮と並び、日本三大東照宮の一つとして知られています。

1617年に徳川家康の遺骨は静岡から日光へ移されました。
その途中、喜多院に立ち寄り、家康の側近であった高僧・天海によって、4日間にわたる法要が執り行われました。
この出来事を記念して仙波東照宮が創建され、1633年に完成しました。

この神社には、瓦葺きの屋根と精巧な漆工芸が美しい本殿を初め、複数の重要文化財が保存されています。
本殿の内部には、徳川家康公の像や、徳川家光港が奉納した「三十六歌仙図」、岩月藩主・阿部重次から贈られた鷹の絵12点など、貴重な宝物が安置されています。

正面の入り口には、徳川家の家紋・三つ葉葵が掲げられており、歴代川越城主が奉納した石灯籠が、江戸時代の歴史的な趣を今に伝えてきます。

仙波東照宮
住所:埼玉県川越市小仙波町-21-1
アクセス;川越駅徒歩20分

PIXTA

川越氷川神社-川越城下町の守護神

およそ1500年前に創建された川越氷川神社は、長きにわたり川越城下町の守護神として崇敬され、歴代の藩主や地元の人々に親しまれてきました。
現在、鯛の形をしたユニークな「おみくじ」や、絵馬がずらりと並ぶ「絵馬トンネル」でも人気の観光スポットとなっています。
歴史的なみどころのひとつに、八坂神社があります。
この神社はもともと徳川家光により建立された東照宮で、明治時代に江戸城から川越氷川神社の境内に移されたものです。

黒漆塗りの壁や精緻な装飾は、江戸時代初期の建築様式を美しく今に伝えています。
埼玉県の重要文化財にも指定されており、江戸城に由来する貴重な神社建築として、訪れた際にはぜひ見ておきたいスポットです。

Sitthipong Pengjan / Shutterstock.com

もうひとつの歴史的なみどころが、毎年10月中旬に開催される「川越祭り」です。
この盛大な行事の起源は1648年まで遡ります。
当時、松平信綱が川越氷川神社に神輿や獅子頭、太鼓を奉納し、祭礼の実施を奨励したことが始まりとされています。
時を経て、現在のような壮大な山車の行列へと発展しました。
祭りの最大の見どころは夜に行われる「曳っかわせ」です。
山車と山車が向き合い、迫力あるお囃子の演奏で競い合う様子は、会場全体を熱気に包みこみます。
現在でも、山車には徳川家康公や三代将軍・家光公の人形が飾られ、川越が徳が幕府と深いゆかりを持っていたことを物語っています。

Krishna.Wu / Shutterstock.com

神社の歴史的見どころの中でも、最後にご紹介したいのが、象徴的な『時の鐘』です。
この鐘楼は実は神社の境内にはありませんが、そこから歩いてすぐの場所にあります。
もともと江戸時代初期に建設されたこの鐘楼は、1893年の川越大火の翌年に再建されました。
現在もなお町の時を告げており、川越の歴史的な象徴となっています。

川越氷川神社
住所:埼玉県川越市宮下町2-11-3
アクセス:東武バス神明町車庫・城西高校行乗車「喜多町」下車・徒歩5分

時の鐘
住所:埼玉県川越市幸町15-7
アクセス:JR川越線・東武東上線「川越駅」から「蔵の街経由バス」乗車、「一番街」バス停で下車、徒歩2分

Yellow Cat / Shutterstock.com

川越で「SHOGUN」の体験を!

川越は、今なお日本の封建時代の面影を色濃く残し、川越城や時の鐘といった史跡を通して、将軍やサムライが活躍した時代へと没入するような体験ができ、時の鐘は今もなお街の発展を見守り続けています。
ドラマ「SHOGUN」に触発されて日本の封建時代に興味を持った方には、川越がまさにぴったりの場所です。
徳川幕府の魅力あふれる世界を体感できる、貴重で本格的な歴史の窓口となっています。

 

 

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